第1章と第2章では,C++の使い方に重点をおいて解説を行ってきました.しかし,実際の開発現場では,C++で書いたソースコードがどのようにコンパイルされ,どのように振る舞うのかを理解していなければならないことも少なくありません.何か不具合が起きたときの解析はもちろん,発生しうる不具合を事前に予測するうえでも,また,効率のよいプログラムを書くうえでも,そうした知識は不可欠です.

  この章では,C++の主な機能がどのように実現され,どのように振る舞うのかについて,かなり突っ込んだところまで解説します.とはいえ,各機能の具体的な実現方法は処理系によって異なります.そのすべてを網羅することはできませんが,本書で紹介する例を理解しておけば,実際に使用する処理系について理解するうえでも必ず役に立つものと考えています.